ずいぶん前に「結び」についての「文章」で非常に感動し印象に残ったものがあり、それをどこかにメモしていたはずなのに、どんなに探しても見つからずにいたが、今朝思いかけず見つけ出した。私の仕事のどの場面でかこの「文意」を活かした表現を使わしていただきたいと思っている。
結栞草 (季刊「銀河」第44号1980より抜粋)
結ぶという言葉の中にどんな意味が秘められているのだろう。
野辺の草葉は露を結び、人は手を掬んで清らかな流れにのどを潤す。人は心を結び、男と女は契りを結ぶ−姿なくとらえどころないものが結ぶことによって現出する。
新しい生命が生まれ、また思いがけないほど強い絆が生まれる。
その不思議と神秘に古人はおののき、結びに素朴な信仰心を抱いたのではなかったか。

