2008年06月12日

慣習を変える

我が社の商品「房」は長い歴史の中で育まれてきた生活文化の用具であります。それは伝統であり単なる「形状」「機能」ではなくて、日本人の心や魂が吹き込まれたものであると思っています。
しかしながら、めまぐるしい生活様式の変化の中で、伝統行事がなくなっていったり、神仏への信仰心が薄らいだりで、それにまつわる用具が要らなくなってしまいつつあります。
正月、ひな祭り、端午の節句、七夕、お盆、七五三、各地の氏神様の祭礼と四季折々の行事も、初詣のときマスコミを賑わすぐらいで、あとは新聞の片隅にトピックスで扱われる程度です。むしろバレンタインでいやクリスマスのほうが話題性があるような時代です。人生の初めと終わりの誕生とお葬式もいろんな決め事があり、慣習があり幸福を願い、冥福を願ったものだったはずです。
こうした年中行事や冠婚葬祭には多くの用具が産み出され「生業」として、永年、地域に根ざし、あるものは地域の特産として、産業として成り立ってきました。全国各地に和紙の産地があり、和蝋燭の産地があり漆器の産地があり多くの人間が従事してきました。
社会の変化で多くのものが失われ、「価格」の安さだけが求められ、需要が激減していく流れの中で、生産拠点はグローバル化と称して海外へシフト・・・国内の業者は生き残ることも容易ではない。
そんな中、新しい商品開発に取り組もうとするとき、障壁になるのが廃れたはずの「慣習」です。この場所に、この場面でこうしたカタチ、色のものを使うのは禁忌であるといったタブーがどうしても取り払えない。
自由な発想で、思いっきり斬新なデザインで取り組んでみたいと思っても・・・伝統の慣習に挑戦するのは勇気がいる。難しい課題です。


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posted by fusaya at 08:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 伝統工芸